スピニングリールのサイズで何がどう変わるのか？釣り方にあったリールの選び方とサイズの違いを解説！

釣りを始めたばかりの人にとって、「スピニングリールのサイズの表記って何？」「大きければいいの？」「小さい方が安いから安いのでも大丈夫？」といった疑問が浮かぶと思います。

釣りをしたことがない方にとって、一目で手に持ったリールが小さいのか、大きいのか判断することはなかなか難しいです。

この記事では、そんな方に向けて、スピニングリールのサイズが実際の釣りにどのような影響を与えるのか、どのサイズを選べばいいのかを、わかりやすく解説していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

スピニングリールのサイズ表記とは？数字の意味を知ろう

スピニングリールは、「2500番」や「4000番」といった“番手”でサイズが表示されています。

数字が若いほど小さなリールで、大きいほどリールのサイズも大きくなっていきます。

この数字はリールのスプール部分に書いてあり、ボディやスプール（糸を巻く部分）の大きさ、そして糸巻き量やドラグ力などが変化します。

番手はリールのシリーズごとに展開されている種類が違い、一般的なシリーズのリールだと2000番～5000番くらいのサイズが揃っています。

スピニングリール全体的に見ると500番～20000番といった展開がされています。

リールを選ぶ時のポイント

リールを選ぶ際は、自分がどんな釣りでどんな魚を釣ろうと思っているのかをまず初めに決める必要があります。

例えば、「堤防で足元を狙うサビキ釣りで、最近釣果情報に上がっている20cmくらいのアジを釣ろう」とか、「河口でぶっ込み釣りという釣り方をして、スズキを狙おう」といった感じです。

まだどんな釣り方をするか決めていないという方は、「魚の釣り方」などで検索してみて下さい。

どんな釣り方で釣るのか決まれば、次はその釣りに適したリールの選び方になります。

その前に、リールのサイズによってどんな点が違うのかだけ先に説明します。

サイズが大きくなるとどうなる？

リールのサイズが大きくなると次に紹介することが変わります。

スプールが大きくなる

スプールとは、リールのラインを収納する部分になります。

スプールの考え方には２つあって、まずはリールの番手違いによるスプール自体の大きさの違いです。

もう一つはスプールのラインを巻ける溝の深さの違いです。

スプールは同じサイズでも溝が深いとたくさんのラインを巻いておくことができますし、溝が浅いと巻ける量が少なくなります。

スプールに巻けるラインの量と選んだ釣り方に必要なラインの量をまず考える必要があります。

ボディが頑丈になる

サイズが大きくなるほど、部品の大きさもハンドルの軸の太さも大きくなるので、耐久力が上がり、大型魚とのファイトにも耐えられるようになります。

例えば、一番小さなリール500番は渓流でアマゴやハスといった魚や、堤防でアジングなどを行う時に使うリールになります。

そんな小さな魚を釣るために作られているリールでマダイやブリといった大きさ魚を釣ってしまうと、ブレーキ機能が弱くて、最悪部品焼けなどの破損、ハンドルの軸が細くて無理に扱ったことによる破損といった事態を引き起こしやすくなります。

それらの理由から、魚の引きの強さにあったリールを使う必要があります。

重くなる

サイズが大きくなると、リールの重量が重たくなり、長時間釣りをする場合には腕などが疲れやすくなったり、指でしっかりと支えているので、小さなあたりなどがわかりにくくなります。

重たいリールを使う場合は、当たりが強い大きな魚を狙う時に有効です。

ドラグ性能（ブレーキ機能）

ドラグとは、リールからラインを引っ張った時にラインが出ないようブレーキをかけた時のブレーキがかけれる力のことを言います。

例えば、ドラグ力が５kg（MAX８kg）というリールの場合は最大８kgの引きの力には耐えることができるリールであるということがわかります。大きな番手の方が、ドラグ力が強く、大きな魚に対抗することができます。

巻き取りスピード（ギア比×スプール径）

番手が大きいほどベールアームやスプール径が大きくなるため、1回転で巻き取れるラインの長さが増加します。

巻き取りスピードが速いとルアーを早く動かしたい時や、早く回収したい時などに効率よく扱うことができ、大物を狙うようなショアジギングや遠投投げ釣りなどの釣りで、100m以上もキャストする時には巻き取りスピードも重要になってきます。

リールのサイズの選び方

それでは実際にリールのサイズの選び方を紹介します。

リールには道糸というラインを巻きますが、まずはそのラインの目安を紹介します。

1000番～2000番：ナイロンライン１～２号　PEライン0.4～1号

2500番～3000番：ナイロンライン２～３号　PEライン1～2号

4000番～5000番：ナイロンライン３～５号　PEライン2～3号

6000番～8000番：ナイロンライン５～10号　PEライン3～8号

これが何によって決まるのかというと、そのリールのスプールにどれだけラインを巻けるかといったことと、ラインの強度とドラグブレーキの強度が近いかなどの理由で決まります。

例えば、よく扱う2500番のリールではナイロンライン2号が170m、３号が100m巻けるといった感じになります。また、ドラグ力は２～４kgが目安になります。（リールの種類で異なります）

ドラグ力２～４kgの引きで釣れる魚には種類が多くありますが、クロダイやグレ、アジ、アナゴといった魚が短な堤防では釣ることができます。

ラインの量も遠投するような釣りの場合は100m以上必要ですが、先ほど紹介した魚を釣る場合はサビキ釣りやフカセ釣りやちょい投げ釣りで狙うことが多いので、そういった釣りをする場合はラインが100mもあれば十分足ります。

よって、クロダイやグレ、アジ、アナゴなどの魚を狙う場合は2500番ほどのサイズのリールがいいということがわかります。

もう一つだけラインを選ぶ際の要因があって、それはどんな場所で釣りをするのかという点です。

気をつけなければいけないのは、ゴロタ石（砂浜のような場所ですが多いな石がたくさんある場所）や磯といった海底に石や岩がたくさんあり、しかも釣り方が海底付近にいる魚を狙うといった場合です。

これらの場合は、魚が針にかかった後、岩場に潜り込もうとする魚が多いので、潜り込ませないように少し太めの強度のあるラインを使って半ば強引に引っ張り上げるということもしますし、岩などにラインが擦れて傷がつき、強度が落ちてしまう可能性も十分に考えられます。

そういった場合は魚の引っ張る力よりも強いラインを扱うことがあるので、リールのサイズも少し大きめになります。

釣り方別の竿とリールの組み合わせ

次は釣り方別に竿とリールのサイズを紹介します。

竿にはリールを固定するリールシートというものがありますが、リールの大きさによってリールシートに取り付ける部分であるリールフットのサイズも変わってくるので竿を設計する段階で、あらかじめ合ったリールが決まっています。

そういった竿とリールのバランスも重要になってきます。

サビキ釣り【小アジ・サバ・イワシ】・・・入門ロッド、ちょい投げ竿、サビキ竿＝リール2000番、2500番、3000番＝ナイロンライン２～３号

ポイント：ウキをつけずに足元を狙う場合はサイズも小さめ、ウキをつけて少し遠投する場合はサイズが大きめのものがおすすめです。

サビキ釣りといっても奥が深く、初心者から上級者まで楽しめる釣りになります。

フカセ釣り【グレ・チヌ】・・・磯竿０～２号＝リール2000番、2500番、3000番＝ナイロンライン1.5～2.5号

ポイント：フカセ釣りでは集魚材を撒いてその中に仕掛けを同調させるということが大切なので、できるだけ違和感を与えないように細いラインを使います。

魚が引っ張る急な動きは長くて細い磯竿がある程度吸収してくれるので、細いラインでも魚を釣り上げることができるということです。

フカセ釣り【コロダイ、青物】・・・磯竿４～５号＝リール4000番、5000番＝ナイロンライン４～６号

ポイント：フカセ釣りの中でも夜の堤防や磯で大物を狙うといったことがあります。

そんな時は丈夫な磯竿を使って強力な魚を引きがあっても耐えられるようにして、ラインも太いものを使います。

夜の磯でフカセ釣りをすると夜行性の大きな魚が釣れることがあるのでとても楽しい釣りができます。

※夜は日中よりも危険度が増すので十分注意して、装備も整えて下さい。

カゴ釣り【マダイ・青物】・・・磯竿４～５号＝リール4000番、5000番＝ナイロンライン４～６号

ポイント：カゴ釣りの場合は遠投で60～100mも投げることがあるので、ラインの量に注視する必要があります。

また、より簡単に遠投したいという場合はPEラインの使用も可能です。

投げ釣り【キス】・・・投げ竿20～30号＝投げ釣り用リールまたは汎用リールの4000番、5000番＝ナイロンライン３～４号

ポイント：キスを狙う時には砂浜から大遠投して数釣りを楽しむといった本格的な釣りがあります。

本格的な釣りには本格的なリールも展開されていますが、汎用（万能）リールを使い回しして楽しみたいという場合は4000番前後がいいでしょう。ちょい投げ釣りでも釣れる場所がたくさんあるのでお子様でもキャストさえできれば比較的釣りやすいと思います。

投げ釣り【クロダイ・スズキ】・・・投げ竿20～30号＝リール4000番、5000番＝ナイロンライン３～４号

ポイント：河口などの場所ではクロダイとスズキといった魚が多く回遊しています。

それらを狙った投げ釣りも人気の釣りになります。

エサは虫えさを使い、夕方から夜が一番釣りやすい時間になります。

河口の幅は場所にもより、そこまで遠投する必要がない場所もありますが、海底には牡蠣殻などがたくさんあるので、太めのラインの方が安心です。

アジング・メバリング【アジ・メバル・カサゴ】・・・専用ロッド＝リール1000番、2000番、2500番＝ナイロンライン0.8～1.5号、エステルライン0.2～0.4号、PEライン0.3～0.5号

ポイント：使うルアーが0.5～３gほどの非常に軽いものを使うので、ラインも非常に細くなります。

竿も細くて、特に竿先が細いので取り扱いには注意してください。

非常に弱いタックルで釣りをするので、小さなアジでも強い引きを楽しむことができ、クセになります。

スーパーライトショアジギング【小さな青物・スズキ・根魚】・・・シーバスロッド＝リール3000番、4000番＝ナイロンライン３～４号、PEライン0.6～1.0号

ポイント：ルアーの中でも軽めの15g前後のものを使うため、ルアー自体の大きさも小型になります。

堤防や地磯周りにはルアーに似た小さなサイズの小魚がたくさん泳いでいて、それらを捕食する魚もいるので、そういった魚に効果があります。

ライトジョアジギング【青物・ヒラメ】・・・ショアジギングロッド＝リール5000番、6000番＝PEライン１～1.5号

ポイント：ライトショアジギングでは20～60gのルアーを扱います。

40g以上あると飛距離も出るので、遠距離にいる魚もターゲットになってきます。

ここまでくるとナイロンラインでは５～８号くらいが必要になりますが、ラインが太く、抵抗が大きいので飛距離がそこまで出なくなります。そのため多くの方はPEラインを使用します。

ショアジギング【青物】・・・ショアジギングロッド＝リール8000番、10000番＝PEライン1.5～

３号

ポイント：ショアジギングは60g以上のルアーを扱うことを指します。ルアーがとても重たいので飛距離も出て、より沖にいる魚を狙うことができます。

しかし、ルアーが重たい分アクションをつけようと思うと非常に早くなるので、動きの早い魚がメインになります。

投げる時には必ずグローブを着用しないと、指がPEラインの摩擦で火傷してしまう可能性があります。

まとめ：サイズ選びは釣りをする時のしやすさに影響し、結果釣果に直結する

スピニングリールのサイズは、釣りのしやすさや魚とのやりとりに直結する大事な要素です。

「なんとなく」で選ぶのではなく、きちんと選び方の基準を知って釣り方にあったリールを選べると、より楽しく、効率的に釣りが楽しめます。

自分がどんな魚を、どんな場所で、どんな道具で釣るのか。その答えを明確にすることで、最適なスピニングリールのサイズが見えてきます。

これからリールを購入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、リールには番手だけでなく、謎のアルファベットがたくさん書かれているものがあり、そのリールの特徴を教えてくれています。

そのアルファベットが知りたいという場合はこちらの記事も参考にしてみて下さい。