グレ(メジナ)釣りは堤防や地磯などあらゆる場所で行うことができ、特に関西から西側の太平洋地域では盛んに行われています。
小さな魚でありながら波が荒い磯に住んでいることもあり、泳ぐ力が強く、針にかかった時の引きも面白い魚です。
真っ黒い見た目でサイズはコッパグレと言われるような20cm前後のサイズから大きいと60cmにも成長するような魚で、その面白さにハマってしまう人が多い魚になります。
そんな人気のターゲット、グレを狙う時は「フカセ釣り」という方法で行われることが多く、釣り針も種類が非常に豊富にあります。
今回はそんな釣り針について15種類取り上げてそれぞれの特徴や針の特性を紹介していきます。
興味がありましたらぜひ最後までご覧ください。
※この記事では私が思うように分類しているので人によって分け方が変わることがありますし、メーカーさんの分け方と違うところがあるかもしれません。
とても小さな変化なので分類も難しいのですが、分類した方が説明しやすいですし、わかりやすいかもしれないということで分類分けしております。
基本(ノーマル)
基本と言われると「特性がないのではないか?」と思うかもしれませんが、基本は一番シンプルで余計な小細工をしていない万能な針という考えもできます。
釣り針にはいろんな工夫をして種類豊富に作られていますが、それぞれがどんな個性があってどんなメリットがあるのかは実際使ってみるのが理解しやすいです。
使っていく中で「なんか釣れやすい」「エサが刺しやすい」「糸が結びやすい」といった特徴が出てきますので、いろんな針を使ってみてください。
まずは全ての要素においてバランス良く作られた基本の釣り針を紹介します。
釣れるグレのサイズにもよりますが、一般的には30~40cmくらいのサイズがよく釣れる場所では5〜7号くらいのサイズの針がよく使われます。
がまかつ:グレ専用
がまかつというメーカーの「グレ専用」という名前からも分かるようにグレの口のサイズ、魚の引きなどの強度などもろもろ考慮されて作られた基本となる針になります。
まず釣りを始めるという方はそういった商品を買っておけば間違いありません。
釣り針全般に言えることですが、パッケージに魚の名前や写真が使われているので、何の魚のために作られたのかは大体の商品が一目でわかります。
がまかつ:あわせちゃダメジナ
あわせちゃダメジナはバーブレスフックやスレ針と呼ばれるかえしがない針になります。
「かえし」とは、魚が針にかかった時に抜けにくくするための針の先端にあるトゲのことです。
かえしがないバーブレスフックだと、魚が暴れてしまった時に針が外れてしまうというデメリットはありますが、釣れた時に針が簡単に外れるので手返しがよく釣りを行うことができます。
一般的に知られているのはカツオの一本釣りで、あの針にもバーブレスフックが使われているのでわざわざ魚を触らなくても後ろに振り投げるだけで針が外れるという仕組みになります。(普通あんな簡単にはできませんが、、)
また、バーブレスフックにはかえしがないため、その分先端を細く作ることもでき、貫通力が上がり魚がかかりやすくなるというメリットもあります。
グレ釣りではあまり選ばれることは少ないかと思いますが、気になった方はチェックしてみてください。
オーナー:OH速手グレ
オーナーばりという針で有名なメーカーが作った人気のグレ針で、バランスが良く、針がかりがいいのが特徴です。
初めて釣りをされる方でも速手グレはとてもおすすめの針になります。
オーナー:OH速攻グレX
速攻グレXは、針の太さを少し太くして、強度を強くした針になります。
釣り針は金属でできており、力を加えて左右に引っ張ると伸びていきます。
引きの強い魚がかかった時も針が伸びてUの字が広がり、魚が針から取れてしまうといったこともよく起こりえます。
なので、グレ針の中でも少し太軸にした針も場合によっては有効になります。
特に40cmを超えてくるようなグレには細軸の針はおすすめしにくいですね。
同じオーナーばりというメーカーが作っている商品でも、「速手グレ」は貫通力がよく、「速攻グレX」は太軸で丈夫という特徴を持っており、この2つがあるとあらゆるフィールドで対応することができます。
ささめ針:カン付グレ
カン付とは、針にラインを結ぶ部分が突起か輪の違いで、カン(管)付の方は輪のタイプです。
針を結びやすく、解けにくいのが特徴ですが、突起よりも結び目部分が大きくなるので、魚の警戒心が高い時にはデメリットになる場合があります。
針の結び方がまだわからないという方は、輪に何でもいいので解けない結び方をしたら、釣りはできますし、魚も釣れるので、初心者の方でも釣りをあまりしない方でも扱いやすい針ということも言えます。
もちろん理想の結び方をした方が針がぶれにくかったり結び目の強度が強いというメリットはありますが、まずは釣りの楽しさを知ってもらう方が優先です。
食わせ重視
食わせ重視のグレ針は他の同じ号数のグレ針より小さくなっているのが特徴です。
刺しエサにオキアミのMサイズやムキエビを小さくカットして一口で丸呑みさせるなど小さなグレの口でも食べやすいようになっています。
グレは顔の大きさの割に口のサイズが小さく、グレ針全体的に小さい針になりますが、食わせ重視の分類に入るような針は軸も短く、丸っこい見た目をしています。
がまかつ:くわせグレ
がまかつのくわせグレは食わせ重視の中でもシンプルな針になります。
値段も安いのでまず使ってみたいという方は「くわせグレ」を使ってみてください。
また、釣り針の値段は価格だけでなく、内容量(本数)も確認して欲しいものです。
一つの商品の価格が安くても針の本数次第では割高になる場合もあります。
がまかつ:掛りすぎ口太
よく釣れるグレは2種類おり、「口太(くちぶと)グレ」と「尾長(おなが)グレ」という名前のグレになります。
口太グレは地磯などでもよくみられる一般的なグレで、丸々しています。
尾長グレは少し生息域が狭く、口太グレに比べてサイズも大きくなり、遊泳力も高いという特徴があります。
それぞれに掛かりすぎシリーズ専用の針が出ていますが、2つは全く違った針になります。
掛かりすぎ口太の方は小さくて一口で針を飲み込みやすいサイズ感になっています。
口太グレは雑食性ですが、海藻(藻)を食べる時期などもあり、歯がそこまで鋭くないので口の中に飲み込ませて針が外れにくいようにするといった傾向にあります。
掛かりすぎ尾長は針の軸が長く、飲み込みさせるというよりは口にかけるというイメージの針になります。
尾長グレも雑食性ですが、口太グレよりも肉食性(プランクトンやエビなどを食べる)よりの魚で、歯も鋭いので針を口の中に飲み込ませてしまうとラインを切られる可能性が高くなります。
難易度も尾長グレの方が高くなるのでぜひ挑戦してみてください。
また、掛すぎシリーズはラインが解けにくい針になりますので、不慣れな方でもきちんと結び目を絞めれば解けにくいと思います。
※基本的にグレ針は口太グレにも尾長グレにも対応しており、2種類とも釣ることができます。
オーナー:OH元輝グレ
OH元輝グレは次に紹介する【軽量化でコマセと馴染む】という特徴の針にも関わってきますが、軸の長さが短く、針自体がコンパクトになっています。
使われる金属の量も少し少なくなることから軽量化され、ゆっくりと沈んでいきます。
また針の色もオキアミに近いオレンジ色になっていて、冬場などの活性が低い時期におすすめの針として売られています。
真冬などで気温が低くなっている時は魚の活性も少なくなっていて、あまりエサを食べようとしなかったり、動かないといったことがあるので、小さな針を使ってみてじっくり探るのも一つの方法になります。
軽量化でコマセと馴染む
グレをメインで釣る時に行われるフカセ釣りという方法は、コマセという集魚剤を撒いて魚を集めて、その中に刺しエサをつけた針を入れることで集まってきた魚を釣るという方法です。
この時重要なのが、集魚剤と針を馴染ませるということです。
針は金属でできているので水に沈みますが、金属の量で重さが変わり、沈むスピードも変わります。
集魚剤も同様にどんなブレンドをしているかによって変わりますが、全般的にゆっくり溶けながら沈んでいきます。(中には溶けにくく海底まである程度まとまって沈むものもあります。)
集魚剤の材料は米ぬかや酒カスといった粉状のものとオキアミなどの固形物を混ぜて作ります。
自分でブレンドしても面白いですし、メーカーが販売している集魚剤にオキアミを加えても面白いです。
一般的な水中に溶け出すコマセを使用する場合は、使用している金属が少ない軽量の針の方が同調する時間が長く、魚が集まっている場所に集中して狙うことができます。
デメリットは針の軸が細く作られているので強度が少し落ちるものがあり、大きなサイズのグレ以外の魚もかかる可能性があるので釣りきれず針から外れてしまうということも起こりえます。
そんな軽量化された釣り針を紹介します。
がまかつ:T1ファイングレ
ファイングレは軽さにこだわり!というキャッチフレーズがあるほどで、できるだけ強度を保ちつつ、細軸設計にされ、無駄を省いた針になります。
針が細いということはそれだけ魚に与える違和感も少ない針なので、口の奥まで飲み込んだり、あまり活性の高くないグレが少しついばむくらいでも針にかかる可能性が高くなります。
メインの針として使用しても面白いかもしれません。
オーナー:身軽グレ
がまかつのファイングレと同様にオーナーというメーカーからも軽量化された針が発売されています。
針の形がファイングレとは違い、強度もそれなりに強いので、どちらもおすすめです。
鋭利に特化
魚釣りは魚が針につけたエサを食べることで口の中に針が入り、ラインを引っ張ると針が口や喉に刺さって抜けず、ラインを手繰り寄せて捕まえるというものです。
魚によっては口周りが硬い種類もいれば、歯がたくさんある種類もいます。
グレの口周りは少し硬く、歯が綺麗に生えています。
口が硬いので針がしっかりかかれば抜けにくく、一度かかってしまえば釣り上げやすい魚と言えるでしょう。
しかし、口が硬いということは針がかかりにくいということも言えます。
合わせを取らなければ口に針が刺さらず抜けてしまうというケースもあります(針を喉の奥まで飲み込んでいる場合はかかりやすいです)
口元にかかるためには先端が細く尖っている貫通力が必要で、釣り針メーカーは貫通力重視の針というものも販売しております。
がまかつ:一刀グレ
がまかつの一刀グレは特殊なコーティングがされており、まず針の色がかっこいいです。
そして滑りもよく、針先も尖っているので貫通力が高い針になります。
オーナー:OH刺牙グレ
刺さりをよくするために特殊加工された針で、針先だけ金色でその他は生のオキアミにも馴染みやすい塗装がされています。
オーナーに数種類ある中の刺さり部門の1品になります。
その他にもピンク色の塗装の針などがあります。(刺牙グレX)
ささめ針:ヤバイグレ
ささめ針のグレ針で、針先が特殊な形に加工されており、グレが針にかかるとスッと口に刺さるようなネジのような針になります。
どれも針先に加工がされており、普通の尖った金属ではなく、形や滑り具合などが変わってきますので、一度使ってみてください。
ボイルオキアミ向き
グレ釣りで使われる一番メジャーなエサはオキアミというエサですが、釣具屋では冷凍して売られています。
釣り針に刺す用の形が綺麗な「刺しエサ」としてパックに入って売られている商品があります。
また、ブロックで売られている商品もあり、こちらは加工されていない生のオキアミをまとめてブロック状に冷凍されているもので、刺しエサ用のパックよりもコスパが良く、たくさんのオキアミが入っています。
生オキアミは独特の匂いがあり、身も柔らかく、グレが一口で食べられるようなサイズになっています。
また、オキアミを嫌いな魚はいないと言われるほどいろんな魚に好んで食べられる生き物になります。
オキアミを一度茹でた「ボイルオキアミ」というものもあり、パッケージに「ボイル」とわかるように書かれています。
ボイルオキアミは茹でられているので色が少し白ピンクっぽくなっており、匂いは薄く、身がしっかりしています。
勢いよく投げても針から外れにくく、身もしっかりしているので初心者でもつけやすいエサになっています。
個人的にはボイルオキアミが扱いやすく、おすすめです。
そして、ボイルオキアミ用のグレ針というものもあります。
オーナー:OHスーパーボイル(グレ)
普通の針と違う点がまず色です。
ボイルオキアミに馴染むような薄ピンク色になっています。
「OHスーパーボイル」は基本的な形をしながら、ボイルオキアミがつけやすいという針になっています。
バランスのいい針で、ボイルオキアミを常に使用するならこのような針を選んでください。
がまかつ:ボイルグレ
こちらもボイルカラーのコーティングをしており、刺しやすい使用の針になります。
まとめ
いかがでしたか?
グレ針について紹介してきましたが、小さな形の違いや長さの違いからエサの刺しやすさや魚の掛かり具合が変わるのでさまざまな商品があります。
いろいろ試してみて、お気に入りの一つを選んでみてください。
また、メーカーのホームページに針の分布表というものがあり、こちらもとてもわかりやすいので合わせてご覧ください。
(https://www.gamakatsu.co.jp/wp-content/themes/main-thema/img/23sou-DMRI0-P-0191.jpg?20230727)